illustrator2023の新機能はより立体的なイメージ作りが楽になる?
Adobeは3Ⅾ関連の開発(買収もですが)を進めていました。Substanceなどもそうですがillustratorもじわじわと機能を拡張しています。
今回のAdobeMAXを機にリリースされた主要機能にもその側面があります。
待望の3Ⅾファイルで書き出し可能
いままでの3Ⅾオブジェクトはパス効果の範囲を超えなかったようですが、OBJなどの3Ⅾファイルでの書き出しができるようになりました。
これにより別のアプリケーションでも3Ⅾオブジェクトとしてスムースに利用が可能になります。
以前はPhotoshopで3Ⅾオブジェクトを作ることも(書き出しも)可能でしたが、公式いわくPhotoshopでの3Ⅾ機能は縮小する予定だとの話もありましたのでとりあえず一安心ですね。
ワイヤーフレームの拡張はillustratorなら生かせるか
ワイヤーフレームを表示させることは、オブジェクトの構造を理解するのにわかりやすく、動作も軽くなるので使われることが多いのではないでしょうか。しかしワイヤーフレームのままで完成する3Ⅾオブジェクトはあまり見たことがありません。
illustratorの「ワイヤーフレームとして拡張」の機能は、3Ⅾ情報が喪失しパス化させてしまいます。よって拡張するともう3Ⅾとして編集・利用できなくなるのです。
そのため使用目的はワイヤーフレームの形状を利用したアートワークなのだと思います。
複雑なオブジェクトをパスにするとやはりワイヤーフレームも複雑なものとなります。
洗練されたイメージとして使いたかったり、内部のイメージを把握するためにパス化してデザインに組み込んだりするのも面白いかもしれません。
ただ複雑な3Ⅾやワイヤーフレームはその形状を把握しにくく、あらかじめ応用しようという目的でのパス化は難しいと思います。
一方で単純なパスだとイメージがつきやすい分、応用したデザインが作りやすいのではないでしょうか。
より柔軟なカラーの設定や、テキストの装飾、パスに効果をあてて変形させる。
同心円ツールなど従来のものを使わずにこちらを使った方が早くて独創的なものができるかもしれません。
ただワイヤーフレームのパスの重なりが把握しにくいので、慣れた方法を取りたくなることも。
クロスと重なりで痒い所に手が届いたところとやっぱり届かなかったところ
クロスと重なりは完全な新機能で、複数のパスを同時に選択した状態で適用すると、クロス部分の重なりを編集できるというもの。
ある意味これも立体的なイラストの作成に寄与する機能なのかもしれないです。
パスが重なっている部分の一部をそれぞれ個別に編集します。
操作は交差部分の重なりを変えたいところをなげなわツールのような感覚でくくるだけ。
パスの重なり順をちくいち編集するのは面倒だったのでこれは嬉しい機能です。
ただこの機能はマスクのような状態になっているらしく、個々のパスを動かすとその部分の重なりが変わったり、逆に勝手に編集されたようになったりします。そのせいか上のような編み込み状のイラストなど規則的なものでもクロスの位置それぞれで編集しなければなりません。パターンにするなど工夫が必要になると思います。
またオブジェクトが複雑だと重なりの再編集が難しい場合もあり以外と慣れが必要になります。